総合計画とは

第1章 序論

1. 計画策定の趣旨

(1)  計画策定の背景と計画の位置づけ

  本町は、平成14年(2002年)3月に「第3次最上町総合計画」を策定し、『心あたたまる人と自然の最上町』を主題とする町の将来像のもとに町民憲章を柱とする6つの基本目標を掲げ、今日までその実現に向けてさまざまな施策・事業を展開してまいりました。

  第3次の計画策定時からまもなく10か年が過ぎようとしており、計画期間についても一か年を残すところですが、速度を増す少子高齢化や高度情報化社会の到来、地域主権の推進などにみられるように、社会や経済全体の様相が大きく変化し続けており、本町においても新たな対応が求められています。

  このため、平成21年4月に副町長を委員長とする「第4次総合計画策定委員会」を設置したほか、全職員によるプロジェクトチーム (注1)をその配下に組織するなど、全庁体制で策定業務にあたることにしました。さらに、公募による「まちづくり町民委員会」の設置や本町出身の関東圏、仙台圏もがみ友の会の皆さんを対象にした広聴活動、集落活性化計画の策定支援等の取り組みをとおして、より重層的な策定体制を構築することに重視しました。

  本計画は、町の行政分野全体を包括的に含む「総合的な計画」であり、将来像・理念・施策内容などに関して骨格となる基本的な考え方と方向性を整理した「基本的な計画」、すぐに取り組むべき施策を含みつつ、長期的な視点からあるべき姿を描いてその実現を目指す「長期的な計画」といった3つの性格を有しています。また、その位置づけについては、向こう10年間における本町のまちづくりの方向とその手法について明らかにするものであり、町の行財政運営の面においても総合かつ基本的・長期的に関わる極めて重要な意味合いを持ちます。

  本町にはさまざまな計画がありますが、本計画が最上位に位置し、その施策や計画を結び付け総合的にコントロールする役割を果たします。

(2)  計画の構成と目標年次

  総合計画は、「基本構想」「基本計画」「実施計画」で構成する予定としています。それぞれの内容構成と期間は以下のとおりです。

■ 基本構想

基本構想は、平成23年度から平成32年度(2021年度)までの10年間を目標とした長期構想として、本町の将来の姿を展望しその実現に向けての基本的な考え方を総合的に示すものです。

■ 基本計画

基本計画は、基本構想の施策の枠組みに基づき、前期5か年と後期5か年に区分し、今後取り組むべき主要な施策を各分野にわたって定めるものです。また、社会情勢や経済情勢の急激な変化に的確かつ柔軟に対応できるよう、各年度の取り組みと検証結果を踏まえ見直しを行います。
なお、基本計画の施策の単位ごとに、その選択や実施方法が適切であるか、進捗状況の評価結果を公表する仕組みを導入します。

■ 実施計画

具体的な事業の計画を示す計画で、基本計画の策定後に、まずは3か年(平成23年度から平成25年度まで)の計画を策定し、その後は毎年見直す方法(ローリング方式)を採り入れ柔軟に対応していきます。

  

2. 最上町を取り巻く諸情勢と課題

(1)  最上町を取り巻く諸情勢

 本町をめぐる社会・経済情勢の変化はめまぐるしいものがあり、まちづくりの各分野においても以下に掲げるとおり、検討し対応すべきいくつか潮流(注2)があります。

このため、これからのまちづくりには広域的・全国的、さらには世界的な視点から、時代の流れがもたらすさまざまな課題に的確かつ柔軟に対応していくことが必要です。

(ア) 地域主権の到来

 現在、大きな流れとなっている地域主権の基本的な考えは、地域のことは地域に住む住民が決めるということです。したがって、これからは自らの責任と判断で自らの進むべき方向を決め、具体的な施策を自ら実行することができる政策形成能力が、ますます強く求められることになります。

  このため、住民一人ひとりのまちづくりへの主体的な参画(注3)がより一層高まるための環境整備が必要です。

また、国や県からの権限移譲(注4)についても今後、より一層進行することが予測されることから、行政事務量の増加はもとより、専門的な知識や技術が要求されます。
このため、地域の実情に即した行政サービスが展開できる体制の整備と人材の育成が必要です。

(イ) 少子高齢化の進行と人口減少

  出生率の低下や平均寿命の伸長にともない、これまでの予測を上回る速度で少子化と高齢化が進行しており、本格的な少子高齢社会を迎えています。また、増加を続けてきたわが国の総人口は、既にピーク(注5)の状態を過ぎ、人口 減少化社会に入っています。

  少子化の進行は、若年人口の減少につながり、このことが社会活動の全般にわたって大きく停滞することが心配されます。本町におきましても、まち全体の活力低下に直結することから今後、青少年教育の在り方がますます重要視されます。さらに、高齢化が進むことにより、高齢者介護等の問題が一層深刻化されることから、行財政面においても医療や年金などの財政負担が増大し、行政サービスの中でこれらの比重が大きくなると予測されます。

  このため、地域全体での子育て支援体制の確立や、高齢になっても元気で安心して生活できる環境づくり、高齢者や障がい者にとってやさしいまちづくり、地域で福祉をささえるまちづくりなどの視点が重要になってきています。 

 (ウ) 持続可能な循環型社会への移行

大量生産、大量消費、大量廃棄型の生活や経済活動にともない、気候の温暖化などの環境問題が地球規模で深刻化しているほか、国内でも水質汚濁等のさまざまな問題が指摘されるなど、人々の環境保全に対する意識が急速に高まってきています。

  本町においても、町民の快適で安全で安定した生活を持続するために、貴重な地域資源である自然環境等を一体的に保全していく必要があります。さらに、省資源・省エネルギー・リサイクルなどを進めるとともに、再生可能な自然エネルギーの創出などにも重視し、自然と共生していく循環型社会(注6)の形成が求められています。

 

 (エ) 地域産業の振興と就業機会の創出

 本町の産業は、農業を中心とする第1次産業を基幹産業に位置づけるとともに、2次・3次産業との連携を保持しながら、生産力とサービスの向上を推進してきましたが、近年における産業の多様化の速度は増す一方であり、本町における産業もその変化に的確に対応していかなければなりません。

  このため、既存産業の活性化にさらに努めるとともに、地域の特徴ある産品の普及開発などに努め、町内に新たな雇用の場を創出する等、雇用の安定確保が急務となっています。
しかし、個別の業種が抱える課題に対応するのみではその効果に限界があり、住環境の整備による定住人口の確保や、町の魅力の向上より積極的な情報発信力の強化など、多くの分野での総合的な取組みによって、相乗効果の発揮を図ることが必要になっています。

 

(オ)高度情報化の進展

  情報通信技術の飛躍的な進歩は、パソコンや携帯電話等情報機器の性能向上とイ ンターネットに代表される情報発信技術の発展から情報化社会が急速に拡大しています。

  情報通信基盤の整備は、地域の文化や特産品情報の発信、生産者と消費者の交流 促進、教育機会の拡充や障がい者の社会参加機会の拡大、さらには地方における高 度な医療の受診機会の拡充や在宅医療の充実にともなう医療連携の推進など、様々な面で時間と距離の壁を越え、社会のあらゆる分野に効果をもたらす可能性を拡大させています。

 このため、これからは高度情報通信基盤のより一層の整備を進め、高度情報化社会の構築に取り組む必要があります。

 

(カ) 国際化の進展

  経済の世界的展開は、国際分業化を進め、さらには財・人・情報の流れを早め、国境を越えた地域間競争を生じさせています。また、テロや情報通信技術を通じた犯罪、さらにはインフルエンザなど社会生活全体を脅かす危機がごく短期間に世界中に及ぶ危険性が高くなり、これらを回避するための予防手段を講じる必要性が高まっています。

  このような国際化の流れは、本町においても直接的な影響を及ぼすことから、これらに対応したまちづくりに積極的に取り組んでいくことが求められます。

 

 (キ) 価値観の変化と生活様式の多様化

 現在の社会は、長期にわたる景気の低迷や経済活動の国際化のもとで、大量生産・大量消費に象徴される産業構造から、産業のソフト化(注7)、サービス化、知識集約化、情報化による新しい産業構造へと移行しつつあります。

  そのような中、人々の価値観も生産中心主義、量的価値の重視から、生活、文化、安全安心などの人間的・質的価値重視へと変化し、一人ひとりの価値観や生活様式も多様化しつつあります。そして、生活を楽しみ自らの主体的で個性的な生き方を通し生活の質を高める方向へと変化しています。

  このため、本町においても、自然や歴史とのふれあい活動をはじめ、西公園などの施設を有効活用したスポーツ・レクリ エーション活動を通じた内外の人々との交流を拡大していくことが求められます。 

 (ク) 協働のまちづくりの到来 

  近年、自分たちの地域は自分たちでつくるという気運が高まるなか、住民自らの手による特色あるコミュニティ活動(注8)や地域づくり活動、地域課題の解決に向けた実践的な住民活動とともに、住民と行政による協働のまちづくりが活発化し、ボランティアやNPO(注9)等の活動に象徴されるように、全国各地で成果をあげています。

  本町においても、コミュニティ活動や生涯学習活動等、さまざまな分野で住民が主体となった活動が活発に行われていますが、このような住民主導、住民と行政との協働のまちづくりは、地域主権時代の潮流に沿う自立するまちづくりの原動力となるものであり、より一層の取り組みが求められています。  

 

(2)  新時代に向けての最上町の主要課題

 今後の町づくりにあたって、求められている課題を整理すると主要課題は次のように 整理されます。

 

(ア) 快適な生活環境の形成

  持続可能な循環型の地域社会、そして安全で安心して暮らせる生活環境を創出するために、優れた自然や貴重な歴史・文化を有する町として、自然に恵まれ美しくうるおいのある生活環境づくり、自然や歴史・文化と共生し、快適な暮らしが実感でき、だれもが住みたくなる居住環境づくりを進めるとともに、災害や交通事故、犯罪のない安全で安心なまちづくりを進めていく必要があります。

 

 (イ) 少子高齢社会に対応したやさしいまちづくりの推進

 少子化に対応して、この地で子どもを育てたいと感じる人を増やすとともに、子どもたちが地域に見守られながら成長できる社会をつくっていく必要があります。また、高齢化が進む中、高齢者が元気で安心して住み続けられる生活環境を確保するため、保健、医療、福祉サービスの充実をはじめ、各種行政サービスの質の向上を図っていく必要があります。

 

(ウ) 立地条件を生かした産業機能の充実

  本町の地理的、気候的な特性を生かして、農林水産業の振興を図るとともに、商工業や観光業との具体的な連携と地域資源の効果的な活用による総合的な産業の活性化が必要です。また、既存商店街の持続発展を図るため、住民の生活視点を重視した中心市街地の活性化に努めていく必要があります。

  さらに、国道47号の早期改良よる発展可能性を踏まえ、物流システムの整備を検       討するとともに、新たな産業の可能性を追求し、また「工業」「観光」「交流活動」を促進する中から雇用の場の確保を進めることが必要です。

 

 (エ) 地域を支える人材の育成

  まちづくりには、まちづくりを支える多様な人材が必要となるため、人材の育成を図っていく必要があります。また、町民の求める要求、要望も多様化・高度化しこれらに対応した生涯学習環境の整備充実が重要となります。さらに、各地域に伝わる歴史・伝統文化活動等について、改めて本町の共通の財産として位置づけ、保護・振興を図るとともに、新しい地域文化の創造をはぐくむ必要があります。

 

 (オ) 地域の活動を支える生活基盤の整備

 定住・交流を促進増加させ、町の一体的発展に向け、住民の合意に基づく計画的かつ調和のとれた土地利用のもとに、人々が集う魅力があり、そしてにぎわいのあるまちづくりを進めていくため、道路・交通・情報網の整備を図ることが必要です。

また、定住を促進するため、住宅などの環境整備を進め、若者の流出を防ぐことが重要な課題となっております。

 

 (カ) 自立による地域づくりの推進

  各地域の特性、誇りや愛着を生かして、住民の一体感・連帯感を生む機運づくりをしていく必要があります。

また、行政は積極的な広報公聴活動・情報公開を行い、住民と行政との参画・協働を進め、さらに行政経営の視点から「さまざまな社会変化に柔軟に対応できる自治体運営の実現と住民自治を確立していく必要があります。

 

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