教育長から

最上町の教育に自信と誇りをもって

 

教育長 中嶋 晴幸

 

 30年にわたって馴染んできた「平成」という元号も残り一年余となり、今年は節目の年となるが、最上町の教育もいろいろな面で転換点に立っていると感じる。昨年の3月には小中学校の学習指導要領の改訂が告示され、小学校では2年後、中学校では3年後の完全実施に向けて動き出しており、それに先立って今年度からは道徳が特別な教科「道徳」として実施される。振り返ってみると「平成」となってから、学習指導要領は4度の改訂がなされている。ずいぶん回数を重ねたものだとの思いが強いが、特に「昭和」から「平成」へと元号が変わった年の「社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成」を掲げた指導要領改訂は思い出深い。当時、小学校に新たに「生活科」が設けられたことにより、社会的にも関心を呼び、学校はもとより教育委員会も一体となり研究に取り組んだことが鮮やかに思い出される。

 その後、ほぼ10年ごとに改定が行われ、それぞれ特徴的な言葉や新たな仕組みが提起され、その都度、指導にあたる者は学び直しを求められてきた。しかし、ベースは、平成元年改訂の「変化する社会に自ら対応できる」という理念であろうと考える。資源大国ではない日本にとってこれからのグローバルな国際社会の中で輝いていくために大切なことは、社会の変化に前向きに対応できる優秀な人材を育成することが何よりも大事なことであるし、とりわけ、義務教育段階での学びは大きな鍵を握っていると言えるからである。また、このことは日本全体の課題でもあるとともに、町づくりという視点からも大変重要なことだと考える。急速に押し寄せる社会の変化の波は、最上町の産業や暮らしにも大きな影響を及ぼしており、従来通りのやり方ではこの大波にのまれてしまうことは必定であり、町の存立基盤さえ危うくしかねない。逆に、この大波を好機と捉え、最上町の豊かな自然やそこから生まれる産物、恵まれた環境を積極的に活用し、前向きに生きていくような力を持った人間が求められている。

 最上町教育委員会としても、将来の最上町を担う子どもたちに必要とされる力を育てるため、町単独のALT配置や高校生の海外派遣、学習の個別化に対応したオープンスクールの校舎建築、子ども一人ひとりの育ちを大事にする特別支援教育の充実、ICTへの対応など、多くの先進的な取り組みを進めてきた経緯がある。

 いよいよ今年度から第2次の小学校再編計画が実施され、月楯小学校が向町小学校と統合する。以降、東法田小学校、富沢小学校、赤倉小学校も向町小学校と統合する。ねらいは、自分たちが住む最上町に誇りと自信を持ち、将来にわたって、変化する社会にあって前向きに生きていくことができる人材の育成である。形は出来つつある。あとは学校、地域、行政が一体となっていかにしてその内容を充実させるかにかかっている。今年はそれが試さされる年であり、これまでの最上町の教育に誇りと自信を持ち、新たな課題に立ち向かう年にしたい。

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