教育長から

大事なスタートの年にあたり

 

教育長 中嶋 晴幸

 

 パソコンは、私たちの生活に欠かせないものとなっているが、学校教育への導入は、現在の小・
中学校の保護者が児童・生徒だったころではなかっただろうか。校内に、PCルームが整備され、
大きなモニターを前にしてキーボードを操作し、簡単なプログラミングや文章を作ることから始
まったと記憶している。その後、機器やソフトの進歩はめざましく、もち運びの便利なノートパ
ソコンが普及し、どこの家庭にもインターネットに繋がるパソコンがあるのが普通となり、多機
能・小型軽量化し、今では生活や学習を豊かにする便利なツールとなった。

  昨年の10 月、地区のメディア教育の研究大会が最上町の幼保・小・中学校を会場に開催され
た。小学校の6 年生の授業では、タブレット型PCを使って、画像を編集したり、音楽を取り入
れたりして、最上町の自然や観光地を紹介するプロモーションビデオ作りをする児童の姿に驚か
された。完成した作品は、町のホームページにもアップされ、大変好評を博している。
平成29 年2月、文部科学省は、ほぼ10 年をめどに改訂されている学習指導要領等の改善及び
必要な方策等について公表した。今回の改訂では、小学校の外国語活動の枠の拡大が注目を集め
ている。学習内容もさることながら、「どのように学ぶか」「なにができるようになるか」という
視点も大きな注目点である。もちろん今までも大事にされてきたことではあるが、これから一層
進むであろう社会の変化や、グローバル化を予測したうえでの改訂であり、今年度は、平成30
年からの試行、そして、小学校では32 年度、中学校で 33 年度の完全実施を見据え、本格的に準
備していかなくてはならない大事な年となる。

  「どのように学ぶか」「なにができるようになるか」という視点から考えると、先にあげたI
CTを活用した学びは、大変重要な意味を持ってくる。これまでの学びが、ともすれば先生が「教
え」児童・生徒が「学ぶ」というスタイルが中心だったのに対し、これからは、児童生徒がIC
T等をツールとして、自ら学ぶ、学びを深める、学びを共有するというスタイルへの変換が期待
されるからである。  

  一方で不安がないわけではない。小学校では、指導のための英語を学んだ教師は少数であるし、
ICTの活用に慣れている教師が多いわけではない。したがって、教える側も、学ぶ側の児童・
生徒と、共に学んでいく姿勢が大切になってくる。先に挙げたメディア教育研究大会では、主体
的に学ぶ子どもたちの生き生きした姿が見られたが、なによりも自分たちの学びの結果が実際の
生活に有効に活用されることで、意欲も大いに高まっていた。

  子どもたちの学びを活性化する手立ては一つではない。豊かな最上町の自然や歴史を活用した
り、体験活動を取り入れたり、多くの工夫や改善を図ることも大切になってくる。将来の最上町
を担う子どもたちが、主体的な学びを通して、最上町に自信と誇りを抱いてくれることを念願し、
「平成29 年度最上町の教育」発刊にあたっての巻頭の言葉としたい。

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