教育長から

「当たり前」からの脱却

 

教育長 中嶋 晴幸

 

 今まで「当たり前」と思っていたことが通用しなくなることがあります。最上町の冬といえば積雪が1mを超えるのは当たり前でしたが、昨冬(2019~2020)は除雪する必要のない少雪の冬でした。夏も、以前は気温30度を超える日はそう多くなかったのが、近年では30度以上の日が何日も続き、冷房機(エアコン)が学校の教室にも必需品として整備されました。 自然のもたらす影響のもとで生きる私たちにとっては、いくら科学が発達しても予想できないことは度々起こるわけですが、とりわけ現今の新型コロナウィルス感染症の流行は、生活のあらゆる面で「当たり前」が当たり前でなくなる事態を引き起こしました。

 今年度から、中学校では新たな学習指導要領による教育課程が完全実施されます。今、社会はグローバル化の進展やAIの進化などにより激しく変化しています。そのような状況を背景に、今回の学習指導要領の改定には、「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という目標を、学校と社会が共有し、新しい時代に求められる資質・能力を子どもたちに育むというねらいがあります。 授業も「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、学びの質を変えていかなければならないとされています。国では個別最適な学びの実現に向けて「GIGAスクール構想」により、一人に一台のタブレット端末を当初は4年かけて整備するという計画を打ち出しました。ところが、新型コロナ感染症により、これまでのような対面型の授業が大きく制限される中、学校のオンライン化の要望が一気に高まりました。その結果、一人一台端末が前倒しで予算化され、1年にして実現することとなりました。このことも「当たり前」という常識が打ち破られた一例と言えるでしょう。

 最上町では昨年度をもって、幼児施設や小学校の再編統合が終了し、新たな体制でスタートを切りました。年度始めは新しい仲間との出会いの時でもあり、丁寧な集団づくりが求められるところでしたが、新型コロナ感染症の影響で授業はもとより閉校(所)式や卒業式・入学式などの行事も簡略化や延期をせざるを得ませんでした。子どもたちにはいろいろな面で我慢を強いることとなり、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。しかし時間を戻すことはできません。「当たり前」のことが通用しない時代であることを認識し、社会の変化に怯むことなく、前向きに生きていける最上町の子どもたちを育てていきたいと思います。

 

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